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2012年11月 6日 (火)

アンテナたくさん立てて…

朝から冷たい雨が降り続いています。

昨日がバタバタの1日だったので、お休みの今日は、時間の流れさえ違って感じられます♪
のんびり過ごせる1日は、幸せ~ heart04
 
今日は、最近読んだ本のことを。
 
少し前に、サイン会のことを書いたときに触れた、石田衣良さんの『北斗』。
 
孤独な殺人者ができるまで。衝撃の青春小説
両親から壮絶な虐待を受けて育った少年、北斗。初めて出会った信頼できる大人を喪ったとき、彼の暴走が始まる……。孤独な若者の内面に深く切り込む、著者渾身の長編問題作。                      (集英社HPより)
 
普段、私が手にとる小説からは、完全に外れている内容の小説。
多分、石田衣良さん以外の作家の本だったら、読むことはなかったと思います。
 
私は、40代の初めに出会って以来、石田衣良さん探求(!?)を続けているので。
石田さんの描く世界には、できるだけ触れたいな…と思っているのです。
連載中の作品も、ほぼチェックしているほど♪
こんな感じかも… wink
   ↓↓
 
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いざこの本の感想を書こうとすると…。
読み終えて少し時間が経った今でも、やはりこの小説の感想を言葉で表現するのは難しい…。
辛くて、哀しくて…。いろいろ考えさせられ…。
もちろん多少の救いもあるのですけれど。
この小説を読んでいる間中、普段の読書で使っているのとは違う、心の筋肉を使っているような感じさえしていました。

印象的だっだシーンを少し。
 
雲をオレンジと朱に染めて、地平線に近づき巨大に膨らんだ夕日が沈んでいく。空は透明な紺地に、明星を銀に点々と浮かべ、極彩色の雲の上に無限に広がっている。夕日を眺める二時間で、心を動かされないことなはかった、自分とは無関係で冷酷なだけの世界が、これほど美しい。それが切なくてたまらなかった。

 
これは、家にいる時間をなるべく減らしたくて、図書館が早く閉まってしまう日曜日の夕方、北斗が、丘で夕日を眺めていた中学生の頃のこと。こんな思いで、美しい空を眺めなくてはならないなんて…。
 
特殊な形状の深い風呂に首まで入り、天窓を見上げた。夕日が差して、ガラスがオレンジに染まっている。もう悔いはなかった。(…中略…)この夕日を見ている人間は、きっと日本中に何十万、何百万人といるだろう。だが、この瞬間の幸福ならば誰にも負ける気がしなかった。子どもの頃の日曜日を思い出す。あの頃は夕日を見る時間が、唯一心安らぐときだった。ひとりぼっちで孤独だが、世界の終わりとよく似た一日の終わりを、特等席で眺められるのだ。愛されたい、抱きしめられたいと泣いた子どもは、北斗の中に今も生きていた。
 
これは、判決が出る前日の拘置所での場面。
 
空を見上げてあれこれ思いめぐらすことの多い私にとって、この描写は、痛いほど心に刺さりました…。
これ以外にも、心に刺さるシーンがたくさんあり過ぎて…。

 
とにかく、これまでの全作品のなかで、『北斗』はもっとも苦労した長編になった。軽井沢に逃げるのも無理はない。難航する長編を仕あげるというのは、それはしんどくて……
 

この連載小説を書き上げた後、ふらりと日帰りで軽井沢に出かけたという石田さん。

この小説の中にも軽井沢が出てくるのですが、その場面も、また辛い場面で。
石田さん、その頃の北斗に、終わったよ…と報告に行ったのでは、なんてことを思ったりしてしまいました。

よろしければ、ぼくがふらふらになるまで力を絞った新作
『北斗』を手にとってみてください。(…中略…)
でも、つぎの本はこんなに重くならないように注意しよう。『小説すばる』の新作はしっとりした大人の恋愛小説がいいなあ。帰りの新幹線で、そんなふうに考えたのでした。
 

雑誌に連載中のコラムで、こんなことを書かれていました。
 
『北斗』、私の本棚に並ぶ本の中では異色の1冊。
自分の中でも、うまく消化できていないのですが、そんな気持ちを残しておこう…と思い、紹介してみました。

                 

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